WORLD

アルビオン王国

ロンドン以南のアルビオン島とノルマンディーなどの大陸領を本土とし、世界の三分の一を有すると言われるほどの植民地を獲得している覇権国家。
ケイバーライトの産出国であり、それを利用した空中艦隊で他の列強国よりも軍事的優位に立っている。
しかし、10年前に起きた共和革命で樹立されたアルビオン共和国によって、ロンドン以北のアルビオン島を奪われている。現在両国は停戦協定を結んでいるものの、分断された境界線に建設された「ロンドンの壁」で対峙し、緊張状態にある。王国領のロンドンは「東側のロンドン」と呼ばれている。
共和革命後の復古主義の台頭により、王権強化と階級制度の固定化が進んでいる。

アルビオン共和国

10年前、「アイアンサイド党」と呼ばれるアルビオン議会共和派を主体とする革命軍によって樹立された国家。
アルビオン王国と同じケイバーライトの産出国で、ケイバーライト加工技術などの一部は王国よりも優位に立っている。現在は穏健共和派が政権を取っているが、軍部を含む革命推進派も台頭している。共和国領のロンドンは「西側のロンドン」と呼ばれている。
強力な諜報機関を有し、10年間にわたって、王国側と影の戦争を繰り広げている。

カバー

工作員などが敵地に潜入する際に、その正体を見破られないようにするための偽の経歴や状況のこと。カバーストーリーなどともいい、工作員は詳細な情報を記憶に叩き込み、偽の人物を完璧に装わなければならない。アンジェは植民地出身、ドロシーは中産階級出身の女子高校生というカバーで潜入している。

クイーンズ・メイフェア校

女王の進める教育開放政策によって設立された男女共学の寄宿学校で、「多くの階級に開かれた学校」を目指している。女王の意向によって、王族としてプリンセスが入学しており、中産階級や留学生、植民地からの生徒も受け入れている。しかし、女王の理想とは裏腹に、王国内に色濃く残る階級制度が影響し、上流階級優位の風潮が強い。

ケイバーライト

科学者ケイバー博士によって開発された物質で、重力を遮断し周辺の空間を文字通り「無重力」することが出来る。王国の科学者たちは、このケイバーライトを蒸気機関の熱を利用して操る方法を研究し、浮遊し移動する機械を次々と生み出した。ケイバーライト飛行戦艦による空中艦隊は、その代表例である。

ケイバーライト障害

ロンドンの地下に広がるケイバーライト採掘場や精製所などで働く者を中心に発生した視野異常。
軽微なものでは視野の歪みだが、重篤なものは失明に至る。原因は不明だが、ケイバーライトの粉末やガスなどが視神経に付着したためではないかと言われている。エイミーは精製中のガス化したケイバーライトにより視力を失っていたとみられる。

コントロール

アルビオン共和国諜報委員会直轄の諜報機関のコードネームで、表向きはアルビオン共和国大使館文化事業局。
王国内(東側のロンドン)に潜入している共和国側の工作員やエージェントを統括している。歴代の機関長のコードネームはすべて「L」であり、王国の政治経済軍事の情報収集を行っている。共和国軍事情報部と対立関係であり、対立緩和のために佐官クラスの軍人が調整役で派遣されている。
アンジェとそのチームへの指令は、すべてこの機関を通じて行われる。

Cボール

アルビオン共和国諜報委員会が推進した「個人携帯型ケイバーライト移動装置」計画によって開発された、高濃度ケイバーライトを利用した個人型重力制御装置。
並外れた高濃度ケイバーライトであるため、巨大な蒸気機関の熱は必要ではなく、体温などの微妙な温度変化で重力を制御出来る。しかし、連続使用するとCボール自体が熱を放ち、冷却しないと制御不能に陥る。
国家予算を投じた巨額な兵器であり、共和国から認定された重要任務に従事する工作員にしか支給されない。その存在は国家の最高機密であり、共和国内部でも知る人はほとんどいない。

チェンジリング作戦

アルビオン共和国諜報委員会が立案し、コントロールが現地指揮を執る秘密工作。共和国工作員であるアンジェの容姿がプリンセスと酷似していることを利用し、両者を入れ替えることで王国の中枢であるアルビオン王室に潜入することを目的にしている。

内務省保安隊公安部

内務卿であるノルマンディー公の手足となって活動する治安維持及び防諜機関。
反王国運動家や共和国スパイの監視及び取り締まりを行っており、王国内では大きな権限を有している。ノルマンディー公の子飼いである大陸領の人材が多く登用されており、王国内部でも「フーシェ主義者」と呼ばれ、忌み嫌う者も多い。

二重スパイ

二重スパイとは、あるスパイ組織に属しながら、実際にはその組織の敵のために働いているスパイのこと。
二重スパイは古くから存在し、例えば17世紀のイングランド内戦時に共和国側のスパイマスターであったジョン・サーローの下で働いていたサミュエル・モーランドというスパイは、実際には敵対する王国側のスパイでもあった。
二重スパイは情報戦では極めて有効な手段であり、イギリスは第二次大戦時に二重スパイを統括するダブルクロス委員会を創設し、ドイツのスパイをイギリス側に裏切らせる活動を行っていた。二重スパイをもう一度裏切らせる三重スパイ、それをもう一度裏切らせる四重スパイも存在する。

ハイランダー連隊

アルビオン王国北方の高地地方出身者(ハイランダー)を中心に編成された連隊。屈強なハイランダー人の部隊は、王国軍の先鋭として世界中の戦場に投入され、王国拡大の原動力の一つと言われている。ロンドン革命後も女王に忠誠を誓うハイランダー人は多く、王国軍の中でもハイランダー人は大きな勢力となっている。
行進時にバグパイプを吹くことで有名で、一分間112ステップの速足行進の訓練を行っている。

もぐら

もぐら(mole)はディープ・カバー・エージュント、スリーパーなどとも呼ばれ、敵対する国やスパイ組織に長期間に渡って潜入しているスパイのこと。その人物がスパイ組織に関係する前に勧誘され、その後に敵対する組織がその人物を採用するように仕向けられることが多い。
語源は明らかではないが、1974年に発表されたスパイ作家ジョン・ル・カレの小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」によって一般的に知られるようになった。

ロンドンの壁

共和革命で分断された、二つのロンドンを隔てる高層要塞線。王国と共和国の停戦合意後、王国側から建設を開始した。王国側は、この「ロンドンの壁」を王国防衛の要であり、王国の威信を象徴するモニュメントであるとも考えており、軍事以外の施設も周辺や内部に建設している。
共和国側は、この「ロンドンの壁」を潜入し突破することが王国の威信低下を促進すると考え、様々な潜入工作を仕掛けている。

gear0 gear1 gear2